日々、只、善き哉。 ~キャラクター紹介+α~  - 1/2

 擬人化きかんしゃ小説『日々、只、善き哉。』シリーズのキャラプロフィール、および世界観の設定、自己解釈などのまとめです。いつも以上に個人的な妄想の塊なのでご注意。

 ※原作『汽車のえほん』、およびTVシリーズ公式の設定とは一切関係ございません。

《メインキャラクター(小西部鉄道組)》

オリバー(Oliver)

ソドー島のノース・ウェスタン鉄道で働く蒸気機関車。形式はGWR1400クラス、小型タンク式(サイドタンク)。現在の車体番号は11で、カラーは緑色(ブランズウィック・グリーン)。元々は大西部鉄道の所属だったがスクラップにされることが決まり、トードと共にこの島に逃げてきた。「ディーゼルだらけの駅」(バロー)に隠れていたところをダグラスに救われ、彼の双子の兄ドナルド、同じ大西部鉄道出身のダックらと共に海辺の支線「小西部鉄道」で暮らす。

救出当初は冒険話を称賛されたことにより自惚れて舞い上がっていたが、転車台の穴に落ちる&転車台破損&自分も大怪我という大事故を起こしてからは真面目で働き者になる。年を経るごとに落ち着いて大人びた性格になった。基本的に冷静だが、少々思い込みと浮き沈みが激しい。「元々スクラップだった」ということは心の奥底でまだ引け目に感じているらしく、失敗すると必要以上に自分を責めて長く引きずりやすい。一時期スクラフィーの件でハット卿からは問題児扱いされていたため入れ替え機としてしか使ってもらえず「役に立っていない」と感じて情緒不安定になったこともある。

ある日ソドー島のほぼすべての人格を持つ乗り物が人間化する事件が起き、彼も例外なく人間の姿になる能力を手に入れる。当初はコントロールもできず驚いたようだが、現在ではすっかり人間社会での生活にも慣れ、徹夜や早番以外は機関庫ではなく、親切な人から借りた小さな借家でトードと共に暮らす。姿かたちが違うこと以外は今まで通りの生活であるし、同居することについて特になんとも思っていない(むしろ当たり前だと思ってる)ようだが、人間であるが故の感情や関係や周りの視線については少し思うところがある。彼自身も決して怠惰ではないが、彼以上に世話好きの相棒に身の回りのこと全部やられっぱなしなこともちょっとした悩みのタネ。一応家事は一通りできるし事あるごとにトードに世話になっている分を返そうとするのだが、少々要領が悪いというか、地味に不幸な結果を招くことが多い。あと、やることなすことなんとなくツイてない。意外と事故やトラブル率高いが(それでも1番や4番や5、6番に比べたらましな方だが)、そのほとんどはもらい事故。しかも、なぜかすぐ助けに来てもらえない。

極度の寒がり。雪だるまの一件から雪は好きになったが寒さは未だに苦手。ヒロに紹介してもらって以来、冬の定位置はこたつの中になりつつある。

余談ながら碧星宮製の彼は普段全っ然クールじゃないのでご了承いただきたい。

純朴で泣き虫にしてドジっ子の、人のよい隠れ甘えん坊です。どうしてこうなった;

1934年8月31日生(導入日)。出生地はスウィンドン。

トード(Toad)

オリバーのブレーキ車。形式はGWR16トンブレーキ車、番号は56831。灰色で屋根がついている。オリバーとは大西部鉄道時代から一緒に働く良き相棒で、スクラップ処分が決定したとき一緒に逃げてきた。一応貨車に分類されるが、荒くれ者が多い貨車の中では気のいい方で、機関車たちと仲が良く丁寧な口調で話す。「貨車には貨車なりの役割がある」ということに誇りを持っており、口が達者なだけでろくに仕事もできない貨車たちの事は嫌っている。しかしそれゆえ、失敗が多かった若い頃のオリバーのことも最初はよく思っていなかった。その後、彼が熟達するにつれ絆も深まり、スクラップが決まった時に一緒に連れて行ってくれたことが決定打となって、以来彼には絶対の信頼と忠誠を置いている。

正義感の強さと身分差のコンプレックス故、昔はやや気難しく皮肉っぽい性格だったが、親切で人が良く、オリバーと同じく働き者。ブレーキ車の時は「後ろ向きで引っ張られてブレーキを掛けることくらいしかできなかった」ので、人間形態になってからはあれこれとオリバーの身の回りの世話をできるようになったことが嬉しいらしい。特に人間化してから覚えた料理は好きで、上手。オリバーだけでなく、助手の手伝いとして他の機関車の罐を焚いたり掃除をしたりもしている。オリバーがブレーキ車を必要としないときはダグラスに着くことが多い。かつてオリバーをからかっていたスクラフィーを計略でバラバラにさせるなど知恵が回るが、若干天然の気があり、のん気なのが玉にキズ。ブレーキが間に合わずオリバーと共に雪だるまに突っ込んだことがある。

普段はオリバーと共に、人間形態で同じ家で暮らしている。他の機関車たち曰く「女房役」。本人は気にしていない(というか知らない)。一応作られてからかなりの年数を経過しているため、少々病弱なところがある。

意外なことに、寝相が悪い。しかも一度熟睡すると起きないタイプなので、よくベッドから落ちてオリバーに戻してもらう。

ちなみに「トード」というのはGWRのブレーキ車を示す無線用語であり、総称のようなもの。なので彼の兄弟姉妹の名前は基本全部「トード」である。顔と声以外に見分けがつかないので、機関車やスタッフは「誰々のトード」「何処どこにいるトード」などとパートナーや勤務場所、勤務内容などを付けて呼んでいた。従って大西部時代の彼の呼称は「オリバーのトード」。

製造年月日不詳。ただ、かなり初期の頃の形式のため、実際はかなりの歳。

 「オリバーさんよりずっと年上」らしい。

ダック(Duck; Montague)

オリバー、トードと同じ支線で働く機関車。形式はGWR5700クラス、パニアタンク式の小型蒸気機関車。車体番号8番。以前の番号は5741。カラーはオリバーと同じ、ブランズウィック・グリーン。オリバーよりも前に大西部鉄道からソドー島にやってきた。本名はモンタギューで、「ダック」はアヒルのようによちよち歩くから」という理由でつけられたあだ名。お喋りだが、けっして「アヒルのようにガーガーうるさいから」という理由で名付けられたのではないためそのように言うと怒る。

おおらかで仕事に関しては真面目。少々のことでは気にしないか、怒ってもすぐ冷める。しかし自己主張ははっきりしており、言うべきことは言う。オリバーが舞いあがっていた時には忠告と皮肉でちくりとやったこともあった。大西部鉄道のことを今でも誇りに思っており、自慢話をさせると止まらない。その他言動がやや嫌味っぽかったり腹黒いととれる面もあるが、本心から意地悪しているわけではない。つい口が滑ってしまうのは重々本人も承知している模様。普段の言葉遣いは丁寧だが、激昂したりして素が出ると信じられないぐらい汚い言葉が飛び出すらしい。

人間形態になれるが、機関庫にいるか部屋にいるかは気分によってバラバラ(ちょうど半々くらい)。オリバーとトードの関係については前々から承知なので、「ふたりがどんな関係であっても」、突き放すでもなくつつくでもなく友人の目で見守っている。

旅好き。というか放浪願望がある。せっかく人間になれるんだから憧れていた海の向こうまで行ってみたいと考えているが、仕事とか何とかの関係でなかなか難しいのが現状。

1929年3月31日生。ちなみに出生地はスコットランドのグラスゴーである。

ダグラス(Douglas)

主に小西部鉄道上の港で働く、貨物用機関車。形式はCR812クラスのテンダー式蒸気機関車。車体番号10番、以前は57647。カラーは黒。スコットランドのカレドニアン鉄道出身で、ドナルドとは双子(ちなみに彼が弟)。ドナルドと共に故郷で働いていたが、無煙化運動の憂き目に逢い、ソドー島に買われた方以外はスクラップにすると宣告される。ハット卿に買い取られた方は果たしてドナルドであったが、彼の運命を案じたドナルドが策略を駆使して救済、二台揃ってソドー島に引き取られ、以後は平和に暮らすようになった。スクラップ置き場からオリバーとトードを助けた張本人。以来彼らは大切な友人である。

仕事熱心だが、勢いがありすぎる所があり、兄に比べるとややミスが多い。それゆえオリバーとトードの気持ちがよく分かったらしく、ディーゼルだらけの駅からたった一台で彼を救い出した。何かと彼のことを気にかけており、トードがスクラフィーへの復讐を計画したときにはすんなり承知していた。現在のふたりの動向に関しても、ダックと同じく友人の目で見守ることにしている。

ドナルドとは誰よりも息の合うコンビだが、同時にその性格と距離の近さゆえか、ケンカも絶えない。お互いプライドか高くカッとなりやすい性質のため、不仲を引きずることもある。しかし基本的には仲良し。弟分だからか、彼の方がやや柔和で親しみやすい。

ドナルドは彼にとって命の恩人でもあるし、同郷の機関車も他にはいないので、お互いのことを何よりも大切に思っている。

他の機関車と同じく人間形態になれる力を授かったが、機関車の方がいいと思っている。そのため現在でも機関庫で暮らすことの方が多い。兄よりは人間でいることに憧れが強いらしくひとりで出歩くこともあるが、結局は機関庫に帰って来るので、ふたり揃っていることの方が大事なようだ。

片割れのことは「ドナル(Donal)」と呼ぶ。

1899年生。

ドナルド(Donald)

ダグラスと同じく港で働く、彼と双子の貨物用機関車。車体番号9番、以前は57646。カラーは黒。スコットランドのカレドニアン鉄道出身。弟と同じくよく小西部組と働いている。元々トップハム・ハット卿に買われたのは彼のみだったが、残されたダグラスがスクラップ処分になることを知っていたので計略を練り、ふたりでソドー島にやってくる。紆余曲折を経て二台で残れることになり、楽しく暮らしている。

距離と性格の近さゆえケンカも絶えないが、基本的には仲良し。ダグラスを嫌って手を焼かせていたブレーキ車を脅したりと、なんだかんだで弟思い。オリバー、トードとはダックやダグラスほどの深い関わりがあるわけではないが、仕事場の同僚として仲良くやっている。オリバーが舞いあがっていた時には「痛い目に合わなければ分からない」という大人の忠告をしていた。プライドが高く頑固で怒りっぽいが、ダグラスより分別があり仕事の腕も上。弟と同じく独特の口調が特徴。

人間形態になれるが、本人は機関車であることが気に入っているし、そもそもふたり揃っていれば姿形なんて気にしない、という理由で今でも機関庫で暮らすことが多い。人間形態で出歩く時はディリー(2代目)の世話とカレン卿のお城に行く時ぐらい。

片割れのことは「ダギー(Douggie)」と呼ぶ。

1899年生。

ディーゼル(Diesel)

ソドー島の問題児。ソドーでも島の外でも一般的に見られた、英国国鉄クラス08型の一台。色は黒。

性格が悪く荒くれ者が多いディーゼル車の中でも輪をかけて悪い。何かというと自惚れて「自分は優秀だ」と自慢したがるが、だいたい失敗に終わるときが多い。蒸気機関車たちを目の敵にしており、とかくからかったり悪口を言ったりすることに情熱を注いでいる。ダックを姦計で(一時的にだが)追い払ったこともあり、それゆえ未だに仲が悪い。といってもいまだに憎んでいるのは彼のほうだけで、ダックのほうはむしろ、なんかしょうがない奴だと、出来の悪い弟分の面倒見てる気になってるようだ。

仲のいいオリバーとトードに嫉妬してか、いつも一緒にいるふたりのことをある疑惑をかけてからかっている。

悪口ばかり言っているが本当はみんなと仲良くしたい。忘れてしまうぐらい極々まれだが、男を見せる時もある。あんま可愛くないツンデレにして不器用キャラである。

1952年生。

イザベル(Isabel)

大西部時代のオリバーの専用客車。カラーはクリーム色とチョコレート色(国鉄時代の一瞬だけ赤だった)。オートコーチなので運転席とベルがついている。「脱出」の際一緒に連れてきたが、燃料が限界に近くなり、ベイジルのいた駅で重量軽減のために彼女を切り離し、置いてきた。ソドーの集団人化事件後なぜか彼女も人化し、現在は主に展示車両として見てもらうほか、ベイジルの家で手伝いをしながら暮らしている。人化したばかりなので料理は少々苦手。

ちなみにトードと異なり、オリバーのことは呼び捨てにし、敬語を使わない。「数十年の付き合いだし今更……」ということらしい。

爛漫でどこかトードと同じく間延びした性格だが、中身は結構大人。ちなみにオリバーよりも年上。

製造年月日不明。1920年代?

《サブキャラ》※オリキャラ

オーガスタス(Augustus)

大西部鉄道時代一緒に働いていた、オリバーの同型機。車体番号が彼より前でなおかつ、同クラスの初号機(1400)なのでみんなの兄貴分的存在。口は少々乱暴で強引だが、仕事には真面目で、男らしく気風の良い性格。無煙化運動の憂き目に遭いスクラップにされたという……が、実は親切な人に救われてひっそり保存されていた。救出後は相棒の客車と共にウィルトシャーにある博物館で暮らしている。ちなみに弟分のことは「オリー(Ollie)」、妹分のことは「パミー(Pammie)」と呼んでいる(というか、他人にあだ名をつけるのが好きっぽい。機関士ですら愛称で呼んでいる)。 

オリバーは基本短縮せずフルで呼ぶが、たまに「ガス(Gus)」「兄さん」と呼ぶことがある。

専用客車は「オクタヴィウス」(男性)。機関士はジュリアン・パックス、助手はトニー・ニコルソン→ブルース・ノラ、制動手はアグリッパ・フィリップス。

女性の「トード」と組んでいた。割と身分階級差にこだわりがなく、本来身分が下のはずの彼女や逆に上のクルーたちとも、あだ名で呼んで冗談を飛ばしあえるぐらい対等な関係を築いている。オリバーにトードとの付き合い方を教えた。

よく親愛表現で「バッファーを軽くぶつける」をやる。

1932年8月31日生。

パメラ(Pamela)

同じくオリバーの同型機で、こちらは女性。型番は彼より若く(1446)、妹的存在。のんびり屋でまだ幼く、ちょっぴり泣き虫だが、芯はしっかりしていた。これからますますの活躍を夢見ていた矢先、無煙化運動の憂き目に遭いスクラップ処分が決定される。しかし、その後オーガスタスの現オーナー・ガイアスを通じてフランスの保存鉄道に引き取られる。詳細は不明だが、元気でお客さんを乗せているという。

自分のお節介で代わりに処刑台に送られる羽目になった彼女のことを、オリバーはずっと気にかけていた。しかし他ならぬ彼の脱出が彼女を助けるきっかけになったことを、彼はまだ知らない。

「~だわ」「かしら」など、ちょっと今時の女の子と比べると言葉が古い。専用客車は「スザンナ」(女性)。機関士はラミーロ・ウィリアムス、助手はエド・ジャーヴィス。

ちなみに兄1(1400)のことは「ガス兄さん」、兄2(1436)のことは「オリバー」(ロットが同じだから?)と呼んでいた。

1935年4月30日生。

オクタヴィウス(Octavius)

オーガスタスのペア客車。トード以上に品行方正。基本、誰に対しても最上級の敬語。たまにぶっ飛ぶオーガスタスに対しては呆れたりシメたりもするが、何だかんだお互いいなくてはならない存在と思っていた。オーガスタスと同様、現在の居住地はウィルトシャーの博物館。

オーガスタスからの呼称は「タビー(Tavie)」。

製造年月日不明。

《人》※オリキャラ

ベイジル・フィッシャー(Basil Fisher)

オリバーたちを助けた信号手の一人。置いて行くことになったイザベルを引き取り、本土の鉄道で働けるようにしてやった。何故彼らを助けたのか?ということに関しては、蒸気機関車に憧れて鉄道に入ったので、それゆえ処分される二台を放っておけなかったとのこと。彼らを逃がす際に少々策を弄したのを問われ、いったん国鉄を辞めたが現在は復職している。イザベルと共に西部のとある駅で暮らす。

冷静沈着で鉄道の仕事に誇りを持っている、根っからの仕事人。現在でもオリバー達の良き理解者である。

アンブローズ(ブローズ)・フォードハム(Ambrose(Brose) Fordham)

オリバーの機関士。大西部時代から一緒におり、彼の前の機関士・ペッパーとは曰く、“師弟関係にある”。アラ還だが、まだまだ若いもんには負けんぞと言い張っている。二台のことを最もよく知る者の一人。言葉にしなくても、音の一つやブレーキの利き具合一つで彼らの調子が分かる。乗ってる機関車と相棒のブレーキ車が口をきいてたことを不思議に思わなかったのかという点だが、「あんまり自然すぎるし、むしろこんなに息が合ってるんだから喋ってくれるぐらい当たり前だろと思ってた」と言っている。それぐらい一心同体。ついに二台が人間化したときも、なんだそうかーイギリスだし不思議じゃねぇな、と軽く受け入れた。せっかくだから一緒に酒でも飲みたいなと思っている。オリバーのことは「相棒」と呼び、ペッパーよりは対等な仕事仲間、といった感じで見ている。

とかく喧嘩っ早くてせっかち。しかしそれは師匠のペッパー同様、誰よりも熱い思いの裏返しでもある。笑い上戸な酒乱。そのぶっとびっぷりはスタッフにも機関車たちにも周知の事実である。

結構な太公望で、ソドーに来てからも休みのたびに釣りに出かける。“脱出”の際には人間側の食糧調達に一役買った。

シルバーとヒース曰く「(髪的な意味で)頭が薄い」らしい。

シルヴェスター(シルバー)・マレー(Silvester(Silver) Murrey)

オリバーの助手。たくましい身体だがいたって無口でおとなしい性格。大西部時代から一緒にいる。彼の体にはオリバーの機関室は少々狭いのが悩みだが、20年超の付き合いなのでもう慣れた。名前とかけて「スタローン」だの「ロッキー」だの言われるので、一度ヤケクソと冗談半分でボクシングの真似やってやったらガチで当たって怪我人が出た。それ以来どこか畏怖の目で見られており、ちょっと寂しい。似たような目に遭ったオリバーには同情された。アフリカ系。

あんまり感情も言葉も発さないが、怒ると怖い。気の長い方でブローズの短気をよく抑えるが、あまりにひどいとキレる。その剣幕は誰をも一発で黙らせるほどすごいらしい……。

趣味は狩猟。腕は確かで、ブローズ同様脱出の際にはいろいろと役に立った。若いころ倹約して買った旧式のシトロエンを、今も大事に乗っているが、なぜか運転は荒い。

ヒース・ロックウェル(Heath Rockwell)

トードに乗っている車掌。以前の車掌さんは高齢により引退し、彼は二台がソドーに来てからの付き合いである。トードと一緒で、どこかのんびりしている。脱出劇については機関車やブローズたちから又聞きしただけだが、働き者の二台のことが好きだし尊敬している。趣味はブローズと同じく釣り。ただし生来ののんびり屋なので腕は素人に近い。

まだ若いが、仕事には一生懸命。ブローズやシルバーとは一歩引いて話すが、そんなことをさして気にしていないブローズによく飲みに行かされる。人の好さと年下根性ゆえ断れない……。

島外出身。実家は何かの家業をしているらしいが、本人は嫌いらしくあんまり話したがらない。(※邪な商売ではないとのこと)

セージ・カー=ミドリカワ(Sage Kerr Midorikawa;緑川・K・正治)

トードの昔の車掌(大西部鉄道在籍時の役職は制動手)。日系2世。父は戦前英国に渡っており、戦争のこともあってそのまま帰れなくなり、こっち暮らしになった。差別やら何やらいろいろあったけど、猛烈な努力を重ねて憧れの鉄道会社に入社。見た目こそ地味だが数々の苦難に耐えた負けん気と意地を持ついぶし銀。その激励と知恵は脱出の時も皆の支えとなった。

ソドーに逃げてきてからそのまま共に働いたが、現在は高齢により引退。後をヒースに譲って奥さんとささやかに暮らしている。もちろん今でも皆と友人。オリバーとトードが人間化したと聞いた時は驚いていたが、今ではすっかり慣れてご飯に招いたりする。完全に「可愛い子供か孫」状態である……。

アンソニー・トワイニング(Anthony Twining)

昔オリバーが大西部鉄道にいた頃の整備士。超が付くほどのベテランで、まだ若かったブローズやシルバーたちに機関車の扱いを、オリバーやトードには人生(人じゃないが)についてのアドバイスを数多く教えた。蒸気機関車たちがいなくなることを憂えており、彼らにもよくしてくれたが脱出の折、お別れを告げなければならなかった。その当時から既にかなりの高齢だったため、20年近くの時が経った今では生きているかどうかも定かではない。

ローレンス・ブルックリン(Lawrence Brooklyn)

大西部鉄道時代、元々のオリバーの機関庫があった駅の駅長。他ならぬ彼と兄妹ふたりの名付け親。陽気で気さくな性格、機関車とも話せた。終戦後引退している。

パトリック(ペッパー)・クリフォード(Patrick “Pepper” Chlifford)

オリバーの最初の機関士。すぐに怒るのでペッパー(コショウ)というあだ名で呼ばれていた。しかし仕事に関しては熱心で仲間思い。困っている人を見ると放っておけない熱い人。オリバーのことは「うちの子」と呼んで可愛がっていた。終戦後、後をブローズに譲って引退している。

リンデン・ウォルポール(Lynden Walpole)

オリバーの最初の機関助手。ペッパーとは逆に冷静沈着、というか常に眠そうで面倒くさがり。事あるごとに愚痴や文句ばかり言っているが、いざという時には意外な男気を見せることがある。趣味は昼寝。終戦後、別の働き口へ行くため、オリバーの助手を辞めている。

ジュリアン・パックス(Julian Pax)

オーガスタスの機関士。生まれも育ちも大西部沿線で、西部訛りで喋る。おおらかで懐の深い、大人の男。ペッパーとはライバルでありバカなことも一緒にやりまくった親友。同じ1400クラス組のことを機関車・客車・貨車共々いろいろ気にかけていた。

オーガスタスからは「ジュリー(Julie)」と呼ばれる。

トニー・ニコルソン(Tony Nicolson)

オーガスタスの最初の助手。若くて血気盛ん(あんまり出てないけど)。それゆえオーガスタスともジュリアンともよく喧嘩していたが、愛情の裏返しなので本気で嫌い合っていたわけではない。

終戦間際に父を空襲で亡くし、家業を継ぐために仕方なくオーガスタスの助手を辞めた。

ジュリアンは「あのアホがいなくなってせいせいした」とは言ったが、それが本心でないことはノラに対する態度を見れば分かる。

ブルース・ノラ(Bruce Nora)

トニーの後に来たオーガスタスの助手。アメリカに留学していたらしく、未だに蒸機が主力となっているイギリスの鉄道を「遅れている」と批判している。回されたのも蒸気機関車だったため、あまりやる気がない。仕事はほどほどでプライベートときっちり分ける、いわゆる“新人類”。昔気質のジュリアンやオーガスタスとは最後まで馬が合わなかった。

逃亡の途中で、まさかのディーゼル側に付いて登場。蒸機は死ぬべきだとオリバーを捕らえようとしたが、オーガスタスを裏切って売ったのか、という問いには明確には答えられていない。

ラミーロ・ウィリアムス(Ramiro Williams)

パメラの機関士。彼女についた時はまだ若く、デビューしたてだった。新人ながら彼女との呼吸はぴったり。爽やかで伊達男なイタリア系。

パメラのことを大事にしていたが、ディーゼルのうろつく中で二人揃って目を離すというミスを犯してしまい、彼女と別れることになる。オリバーと同じく、自分のことをずっと責めていた。

エド・ジャーヴィス(Ed Jervis)

パメラの助手。ラミーロと同じく若齢でデビュー。彼女と一緒に成長したようなものなので、彼女に対する思いは並々ならぬものがあるが、それゆえいなくなったときはオリバーを責め立ててしまった。

その後の足取りについては不明。失意のうちに鉄道員を辞めたとも噂される。